「ホテル・カリフォルニア」マイナス2 - 藤尾
2025/06/22 (Sun) 11:27:20
「ホテル・カリフォルニア」シリーズ…、始めるよ!
Re: 「ホテル・カリフォルニア」マイナス1 - 藤尾
2025/06/22 (Sun) 11:36:36
もう、何もかもウンザリだ…。
フラワーチルドレンなんて現実逃避にすぎない。残ったのはクソみたいなドラッグ文化だけだ。
ベンツも、ロレックスもカラーTVも手に入れた。でも、いくら物質的に豊かになっても心は空疎なままだ。
カリフォルニアドリームも退廃と虚無でしかない。
そろそろ今日の宿を探すか…。
HOTEL CALIFORNIA…だと?
Re: 「ホテル・カリフォルニア」±0 - 藤尾
2025/06/22 (Sun) 12:31:25
「ホテル・カリフォルニアにようこそ。部屋はいつでも用意しています」
なんだ、ここの空気は…。妙になじむというか、居心地が良い。豪華な家具調度、ゴージャスな客たち…。それは自分を支え、楽な気分にさせてくれる。
「ここには、いろんなお客様がおいでです。でも皆さん、この空気を楽しんでいらっしゃいます。ここにいる限り、時を忘れて過ごすことができますから」
お客はみな思い思いに過ごしているようだ。楽し気な会話もあちこちで弾んでいる…でも、みんな自分の事しか気にしていないのが見て取れる。
…背後に見栄と倦怠が淀んでいる。
自分の捏造した、自分がすがる、良き思い。それにひたって何が悪い?
ここは天国なのか? いや、地獄なのか…?
でも、それの何が悪い…?
奇妙なのは、ここには「過去」しかない。
確かにそれは安楽だが…。
「私たちは皆、自分から、この出られない罠にはまりに来るんです。あなたも分かるでしょ?」
これは…ヤバいかもしれない。出られなくなる!
「どうぞ、ご自由に。いつでもチェックアウトなさって。でも、決して…ふふっ」
Re: 「ホテル・カリフォルニア」プラス0.3 (甘やかな退廃 編) - 藤尾
2025/06/23 (Mon) 11:46:00
「俺のワインをたのむ」
「1969年以来、切らしております…」
ああ…、やっぱりそうか。オヤジめ、したり顔で答えやがって…。
それにしても俺はWineをたのんだんだ。オヤジめSpiritだって?何を洒落こいてるんだ。醸造酒と蒸留酒じゃ違いすぎるぜ、もっと気の利いたこと言いやがれ。
それにしても、Spirit…精神かあ。うまい事を言う。いや今は、あえて魂と言う方が当たっているかもしれない。このホテルの連中の魂は、客もスタッフも皆、甘い退廃の匂いをたてている。魂だけじゃあない、Mind…思考も認識も判断もだ。ある意味、「確信犯的」でさえある。
もしかして、それは俺自身も…。
そういえば、あの女が言っていた。
「私たちは皆ここでは囚人、自分で作った装置の…」
うわ…、あの女のご登場だ。
「大勢の人が1969年でつまずいた…っていうか道を見失った」
くそっ心を読まれたか。いや、このホテルの本質がそれなのか?
「ここの客は皆「倦怠の、負のループ」を鋭いナイフで断ち切ろうとする。それは見失った理想や、楽天的だっ過去であるかもしれない。…でも、誰もそれは、できやしない…」
それを断ち切って次へ向かうことは、ある意味苦痛を伴う。勇気とか割り切りとか言うのはたやすい。だが実際、断ち切ったとして、次は何に向かって進めば…?
楽天的で希望に満ちて明るかった時代。それに浸り続けるのは安楽だろう。でも今はそれは甘い腐臭を立てている…。このホテルはその象徴であり、店も客も全員でそれを演じている。
そこに諦観や焦燥が透けて見えるのは、俺だけではなさそうだ…。
Re: 「ホテル・カリフォルニア」プラス0.9 Checkout to live 編 - 藤尾
2025/06/26 (Thu) 00:06:38
酒も女も嫌いなわけじゃあない。
でも決して俺を満たしてはくれない。倦怠を、自分の空疎さを胡麻化しているだけだと気づいてしまった。
このコスタリカの匂いにもウンザリだ。いくらやっても、何かから逃げようとしている自分があぶり出されるだけだ。
あの「持てる者たち」特有の、虚栄と偽善に満ちた会話ったらないぜ。ああ、今日は過去の華々しい栄光の日々が話題だ。確かにいい時代だった。でももうそれは終わったんだと、誰もが気づいているはずだ。いいかげんその世界から抜け出せないのか?
いや、抜け出せないんじゃあない。抜け出さないんだ。あまりにも居心地が良いから…。
それは俺も同じだ。確かにここは気分がいい。もう何日いたかわからないほどだ。
ここに居続けたら離れられなくなる。
俺はなぜクルマを走らせて旅をしていたんだ?何かに、どこかに向かっていたんじゃあなかったか?
とにかくこのホテルから出るんだ。走れ!出口はどこだ?
「お客様、落ち着いて」
当直か…ちょうどいい。
「私どもは、お客様のご要望を満たすよう努めさせていただいております」
このホテルの、虚栄と虚飾と過去の栄光の欺瞞と倦怠に満ちた雰囲気は、客である俺たちが望んだから、それを満たすようにホテルが務めている…っていうわけか?
「いつでもお好きな時にCheck out できます。しかしお客様、決してここから離れることはできません…」
Re: 「ホテル・カリフォルニア」プラス1(Self Salvage編) - 藤尾
2025/06/26 (Thu) 10:47:59
こんな所に長居していたら、出られなくなってしまう…。
海岸に出て頭を冷やすか。
痛っ!やっちまった。ボンヤリ歩いてるからだ。まずいな。
「大丈夫ですか?みせてください」
なんだ、この坊さん。どこから来た?全然気づかなかった。
「これで大丈夫です、良くなりますよ」
「ありがとう、本当に助かりました。是非お返しさせてください」
「子供が溺れかかっていたら、誰しも無私の心で何も考えずに助けるはずです」
あのホテルの主人もフロントも、You can never leave と言っていた…Leaveとは「私」へのこだわりから離れる…ということか?
ロレックス…もうこんな物はいらない。もう俺には不要だ。
Re: 「ホテル・カリフォルニア」マイナス2 - マリオ
2025/06/26 (Thu) 19:59:47
そういえば、あの女が言っていた。「私たちは皆ここでは囚人、自分で作った装置の…」の部分ね?原詩は、恐らく、”We are all just prisoners here of our own devise.だと思う。Device=装置、仕掛けではなく、発音が同じ、Devise=なんだろうと思ってる。昔は歌詞カードにもDeviseと書いた時代もあった。Deviseとして和訳し直すと「ここに居るアンタもアタシも皆んな、自分のしでかした結論として、ここに囚われることになってんのさ?」と、次の”We are programmed to receive”=「受け入れることになってるわけよ?わかる?」に滑らかに意味がつながるなあ。多分、そもそもDon Henley は訳詩を禁じてるので、